賃貸物件の管理 基礎編⑥

〖メーター検針〗

今回の第6回目はメーター検針についてお話しします。

検針作業は地味と言えば、地味な仕事なのですが、ビルを運営していく中で絶対的に必要な仕事とも言えます。
そして、実は奥が深く重要な仕事でもあります。
やっている人にはわかりますね!!

■検針メーターの種類
検針の対象は、電気、水道、ガスというところになります。
メーターには公設メーターと私設メーターがあります。それぞれ親メーター、子メーターと呼ばれることが多いです。
親メーターは、電力会社、水道局、ガス会社など供給事業者が建物に設置して、全体の使用量を計るものになります。子メーターは、建物側で各階や各部屋の使用量を計る為に設置するものになります。パっと見は同じようですが、所有者、目的が違ってきます。

そういうわけで、基本的には、親メーターは供給事業者が検針し、子メーターは建物側の管理会社などで検針することになります。管理会社では全体量の把握が必要なこともあり、親メーターを独自に検針することもあります。ガスは管理会社で見ることは稀ですね。

■有効期限
各メーターの値をもとに、供給事業者も建物側も請求を起こすわけですから、メーターが正確でないと困りますよね。初めは正確でも経年劣化もあります。そこで、「計量法」「計量法施行令」により、メーターの有効期限が決まっています。
ちなみに、計量法は水道メーターなどだけではなく、様々な計量の基準を定め、適正な計量が実施されるように定められています。タクシーメーターなども入ります。
(メーターに表示がありますので、うっかり期限が切れていた!という場合はご相談ください)

■検針の実際
・電気メーターの検針
ビルなどの建物では照明やコンセントなどの使用量を計る「電灯」メーターとエアコンなどの使用量を計る「動力」メーターがあることが一般的です。

一つの部屋やフロアーにそれぞれ一つとは限らず、複数のメーターがある建物もあり、検針する数としては電気メーターが一番多いと思います。

・水道メーターの検針
各フロアーにひとつ、または部屋ごとに分かれている場合もありますが、電気メーターのように細かく分かれていることは少ないです。古いビルや小型のビルの場合は、子メーターがないとか、複数フロアーで一つとかの場合もあります。

そして、経験上、ビルの設計者や施工者の方へお願いがあります。
「メーターが見にくい!!」 (~_~;)
建物が多いですね。
背伸びしたり、狭いところに顔を突っ込んだり位はよくありますが、鏡を使わないと見れないのは勘弁していただきたいですね。
恐らく配管の取り回しに苦労しているのかなと思いますが・・・








■検針で大切なもう一つのこと
メーター検針は、光熱費のテナント請求の基礎となるので、必要な作業になるのは当たり前ですが、実はもう一つ大切なことがあります。
「検針」は「健診」という側面があります。
“ビルの主治医”として健康診断ですね。
水道検針をしていると、前月に比べて突如として使用量が上がることがあります。通常は多少上下しますが、同じような人数で同じような使い方をしていると使用量もほぼ毎月同じような数字になるものです。
ところが数倍や10倍などになるときがあります。これは異常があるはずです。
すぐにテナントへヒアリングして、理由が明確であれば良いですが、不明な場合は、各所を調査します。見えないところ、わかりにくいところでの漏水がある場合もあります。
また、検針は各所を目視点検しながらまわったり、音を聞いたりします。テナントの担当者の方と会話することも多いです。問診に近いかもしれません。
すると、
「そういえば、エアコンから時々変な音がするのですけど」
とか
「キッチンの水栓を締めてもポタポタ垂れていることがあって」
など、日常的に使用しているから気付くこと、大きなトラブルになる前に早めに言ってもらえて、良かったことなどがあります。

テナントの人数や利用方法などの変化などもわかりますから、管理者としてはとても有意義な情報となり、その後の提案活動に活かせます。










次回は検針したデーターでの光熱費の算出や請求業務についてお話しします。

【建物管理のご相談はお気軽にどうぞ】
株式会社首都圏ビルマネジメント
管理部 伊藤隆晴
t-ito@daku.co.jp
03-3289-0151
 

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