賃貸物件の管理 基礎編⑧

〖建物賃貸借契約〗

この基礎編シリーズでお伝えしているのは、賃貸物件の管理ですが、そこに入っていただく入居者、テナントとの建物賃貸借契約についてお話しします。

難しいところは不動産屋さんに任せて、契約書に署名捺印するだけ・・・ではいけませんよ!

■契約の2つの種類とは?
賃貸借契約には。主に次の2つのどちらかで行うこう事になります。

1.普通借家契約
“普通”とついているくらいなので、こちらがメジャーな契約形態になります。
決まりはありませんが、一般的には2年または3年程度の契約期間を定めます。
入居者は、更新しながら利用し続けることができます。

2.定期借家契約
こちらは“定期”とついていますね。そうなのです、期間を定めるのです。つまり、2年契約なら「2年で契約は終了します」という契約になります。更新という概念はありません。
ただし、契約前に確認が必要ですが、再契約という形で、次の期間も利用可能な物件が多いです。
それなら、普通借家契約と変わらないのでは?との疑問が湧いてくると思います。次に違いを見ていきましょう。
契約時のお客様と説明するスタッフの画像















■契約による違いとは?
 先ほどの話しのように、定期借家契約でも契約期間が終了しても再契約すると、普通借家契約問と大差がないように見えます。しかし、入居者が引き続き借りたい場合、普通借家契約では貸主に正当事由がない限り、更新を拒絶できないのに対して、定期借家契約は再契約するかどうかは、貸主の意思によります。契約の意思がなければ、終了となります。
ここが一番大きな違いです。

普段、何か物を貸し借りする場合に、「いつまで」を決めますよね。
しかし、住居となると、期間が来たから「はい、出て行って」となると、なかなか厳しいものありますよね。

借主保護のため、(昭和16年)に借家法が改正されて正当事由がない限り貸主側から更新拒絶、解約の申し入れが出来なくなりました。

しかし、一方で貸主からすると一度貸したら、中々返してもらえないということになります。
そうなると、人に貸すことをためらうケースも出てきます。
そこで、平成3年に借地借家法が制定されて、普通借と定期借が選択できるようになりました。

それぞれ、貸主、借主の立場で様々なメリット、デメリットがありますが、基礎編なので深堀はまた別の機会にします。
お互いにメリットとなるよう、選択、活用することが大切です。











■契約書は大事!
契約書は大事!とお伝えすれば、「そんなの当たり前だろう!」と怒られそうですが、冒頭にお話しした様に不動産屋さんが作る契約書の説明をさらっと聞くだけで、署名捺印しているケースは多いと思います。
もちろん、よく考えて作っていただいていると思うのですが、法改正や各お部屋の違いや特殊事情など確りと反映されているのかのチェックは必要です。

そして特に注意が必要なのは特約についてです。その時はお互いに合意して理解しているのですが、何年か経った後、解約する段になって齟齬が生じるということはあり得ます。そのときに頼りになるのが契約書であり、特約の文書なのですが、読み手や立場によって違う解釈ができたりすると困ることになります。

ちょっと“クドイなぁ”という文書で良いと思います。



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